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倒錯・3

(承前(倒錯・1)(倒錯・2))






110717_01.png





「よくできた」
「おいしかったか?」



・・・はい


主が私の顎を掴み、顔を上げさせる。
褒めてもらえる。甘えたくて目が潤む。
撫でて。
命令に服従したことを、こんな屈辱に陶酔できたことを、どうか褒めて。


「こんなに顔を赤くして」
「火照ってるな?」



はずかしくて顔を背けた。


「冷ましてやろうな」


主が一歩後ろへ下がった。


「手を後ろで組め」


言いつけ通りに背中に腕を回し、ウエストの辺りで手首を重ねた。
突き出してしまう胸がはずかしくて俯こうとしたその瞬間。


温かな飛沫が顔や胸にかけられた。




110717_02.png





「動くな」


声にならない呻きが口から漏れた。
嗚咽が腹から喉へ駆け上る。


さっき汚した口許から胸を狙い、自分のそれを洗い流すかのように、主は気持ち良さそうに放尿する。


からだ、顔、
全部汚れていく。
主の精液と小水、自分の涙や汗、なんだかわからない色々なもの。
人間の匂い、体温と同じ生温さ。ぬるぬるとした感触。
こんな女、誰も触りたくない見たくもないだろう
汚れてる。誰もが蔑むだろう程に。


・・・穢れた・・・





主は満足気に指先で私の顔を撫でた。


「びしゃびしゃだなしおり」


笑いながら、頬を濡らした液体をまるで肌にしみ込ませ吸わせるように執拗に撫でた。
いけない。汚れるのは私一人でいいのに、あなたまで汚れることはないのに、どうしてそんなことをするのだろうとぼんやり思う。



「この肌が欲しがるようになるまで」
「躾けてやるよ」



・・・ああ・・・


細胞一つ一つにまで浸透していく気がする。
恥辱に溺れさせられるだけでなく、さらに汚穢に塗れる昏い歓びまで植え付けられるのか。


濡れた手が私の口許に差し出された。


「舐めろ」


咽びながら私はその指をくわえる。
頬からしたたり落ちる滴。涙なのかどうなのか、自分でもわからなかった。


「よしよし」


空いている指先で自分の性器の先を拭い、それも私の口に差し込んだ。


「ほら、最後の滴」
「わかるな、おしっこの味がするだろ」
「おいしいだろ?」



こみあげた嗚咽で喉の奥が塩辛くて、味など感じない。
でも私は頷いた。


・・・おいしいです
ありがとうございます


「よし」
「くわえろ」



主が指を外して、性器を私の口許に近づけた。
私は主の腰に腕を回し、もうためらいもなくそれをくわえ、丁寧に舐めて奉仕した。


ああもう、私は人じゃない。
獣ですらない。


こんなにぐちゃぐちゃに汚されて、顔には塗りたくられ、体から色々なものをだらだらと垂れ流し、それでも抗いもせず排泄物さえ口にして、ありがとうございますと奴隷の返事をしてる。
こんなの人間じゃない。こんな穢れた獣もいない。


じゃあ私はなに?
孤独に陥りそうになったその瞬間。


髪を撫でる主の手に、ふわりと心がゆるんだ。


人でもない、獣でもないのなら、私はなんだろう。
こんな女を嘲り罵り、侮蔑するための言葉はいくらでも浮かぶ。
多分それは全て当たっている。この無様な姿が私。


だけど、それでいい。
私はこの屈辱を受け入れた主の玩具。


これは主が望んだこと。
今、主はこんなにも楽しそう。
だから、これでいい。主が満足ならそれでいい。


頭上から主の声がする。


「次は鼻をつまんで口を開けさせて」
「もっと近くから出してやろうな」



口いっぱいに主を頬張りながら私は頷いた。
私が人ではないのなら、そうさせる主も充分に人でなし。


「飲めるな?」


・・・はい


二人きりのそこまでつれていって。






(了)



 

tag : 主かく語りきマゾヒズム屈辱

倒錯・2

 (承前(倒錯・1))










「全部お前にやる」
「それも綺麗に舐めとれ」



返事はできなかった。
口答えは許されないことを知っている。
だから私は首を振り、無言のまま主にいやだと目で訴えた。


だって、いくらなんでも。
床だ、落ちているのは。
足を舐める、性器をくわえる、口を使う大抵のことにフェティシズムを持っていると言える程それに溺れる自分をわかっているけれど。
だけど床は嫌。
そんなことできない。
そんなことをしてはいけない。


「舐めろ」


自分の目に涙が滲んでいることに気づく。
お願いです、そんなことをさせないで下さい。
私は必死で主をみつめて黙って呼びかけた。
そんなことをさせないで下さい。


けれど、どれだけ気持ちをこめても主の視線はまったく揺らがない。


「舐めとれ」


わかってる、いやしくも奴隷を従える主たる男がこんな無言の懇願で折れてくれるわけもない。
どれだけ訴えても無駄だとわかってる。

だけど、いくら私が奴隷でも、そんなことをしてはいけないのです。

主に私のその気持ちは伝わっているのか。
主はわかっているのか。


問うことなどできないだろう。
私はこの人の恋人だ。だけど同時に、絶対の服従を約束させられた奴隷だ。


私は目を伏せる。
顔を上げたときと同じように、のろのろと下を向いた。


「そうだ」


主の声が甘くなる。
命令と誘惑を使い分け、時に強引に時に宥めすかしながら私を自分の世界へと引きずり込んだ男の、自信と優越を湛えた声。


ぺたりと座り込んで床につけていたお尻を上げて、膝をついた。
こんな時でさえ上からの主の視線を意識してきれいに見えるような姿勢をとろうとする自分を、あさましいと呪った。


四つん這い。
獣の格好。


両手の間の一滴をみつめる。


いけない、こんなことをしてはいけない。
床に落ちた精液を舐める、いくら自分が奴隷でも、こんなことをしてはいけない。
ここまで卑屈なことをしてはいけない。


ああ、だけど。
本当に私はこれを望んでいなかった?


みつけたその瞬間に、主にこう命じられることを願わなかった?


ゆっくりと肘をつき、体を低くする。


ああ、もうすぐ。
私は。
してはいけないことをしてしまう。


主の視線が痛い程感じられる。
それは間違いなくしあわせなこと。


見ていて下さい。
足許に這うことが大好きなあなたの奴隷が、
とうとう床まで舐めるようになるのを。


あなたが中毒させたもののために、
そんな卑しいことまでするようになるのを。


舌を伸ばす。
ゆっくり顔を下げていく。


うれしい。
命じられたかったんだ。


爆発的に自分の中に湧き上がる歓喜。


してはいけないことだからこそ命じられたかったんだ。


さあ、こうして、主に見守られて。
床にこぼれた精液すら舐める最下層の奴隷になりましょう。


そこまで堕ちましょう。






110714_02.png






ぺろり。
一瞬だけ舌先に感じた主の味と、口にしたことのない苦み。ざらつき。


硬直する。
体と感覚の当たり前の防御反応。
本能的な嫌悪。


してはいけないことをしたの。
たった今、私は人がしてはいけないことをしたのです。


胸が張り裂けるような悲痛と、目がくらむような被虐の快楽。


二度、三度、舌を伸ばす。
もう大丈夫。できる。
いいの悲しくても。
主がきっと褒めてくれるから。


床や地面にこぼれた餌を食い、なくなっても意地汚くその場所を舐め続ける獣を思い浮かべる。
私がしていることはそれと同じ。
その屈辱に淫し、卑しい姿勢を主の目の前でとる歓びを存分に味わいながら、私は何度も床に舌を這わせた。
そこにあった一滴の残滓すら残さぬように。


息をつく。もうそれは甘やかな喘ぎ声。


「よしよし」


楽し気な主の声。
ああ、やっと褒めてもらえる。


肘を上げ、体を起こす。
お尻を踵の上に乗せて、手を前につく。
お座りを命じられた犬のような姿。


主が優しく頭を撫でてくれた。


・・・舐めました


「よくできた」
「おいしかったか?」



・・・はい


(続く)
 

tag : 主かく語りき屈辱玩具

倒錯・1

110711_01.png




主が私を跪かせ、いつものようにこの口を使う。


髪を掴まれ頭を動かされる。
喉の奥を突かれ、繰り返しこみ上げる吐き気。
その度に呻き声と共に口蓋を開き、嘔吐しないようにやり過ごす。
えずき苦しむ声を主が楽しんでいるのを感じられれば、それは同時に被虐の快楽になる。


口中で膨れ上がったそれが一際深く咽頭を突き立てるから、きっともうすぐに吐き出されるものを味わおうと、ぎゅっと目を閉じて身構えた。
だけど主はそれを勢い良く引き抜き、ぽかんと開いたままの私の口許や胸に撒き散らすように射精した。


私は深く息を吐く。
さっきまでの強烈な胸苦しさが消えていくのを待ち、呼吸を整えながら、目を閉じたままゆっくりと手を持ち上げる。
指先で頬や顎をなぞり、そこに振りかけられた熱いものを拭っては唇に運び、それを舌先で味わった。
まだ荒い呼吸の主が蔑むように私を見下ろしている。


「おいしいか?」


・・・はい、おいしいです、ありがとうございます


主が喉の奥で笑った。


「精液中毒だな」


私はゆっくりと目を開き、主を見上げてうっとりと笑い返した。
気持ちがいい・・・。





110711_02.png





唇を撫でていた指をきれいに舐めて手を床に下ろしたときに、それに気づいた。
一滴、こぼれたもの。
ちょうど両の手の間にぽつんと落ちているそれは、紛れもなく主のもの。
私は思わず小さく声をあげた。


「どうした?」


頭上から主の声。


なんでもないと言えばいい。
そうすれば主は気づかない。
だけど嘘をついてもいいの?


答えをためらったわずかな時間で、私が見ているものを察したのだろう。
主が発している空気がすうっと冷えた。
私はおそるおそる顔を上げる。主の表情を伺う。
そこにあったのは、さっきまでの快楽の放恣とした穏やかさが消えた、サディストの顔。


どうして見つけてしまったんだろう。
見つけなければよかった。
自分の顔が歪んでいくのを止められない。


「全部お前にやるよ」


私はぎゅっと歯を食いしばり、小さく首を振る。
こうなることがわかっていたから見つけたくなかった。
主を見返す自分の目は、まるで睨み返しているようだろう。


「精液中毒の奴隷だよな?」


ためらってから、それでも頷いた。
まだ主を恨みがましく見返したまま。


「全部お前にやる」
「それも綺麗に舐めとれ」




(続く)
 

tag : 主かく語りき服従屈辱

プロフィール

akira and shiori

Author:akira and shiori
米リンデンラボ社が運営するメタバース、Second Life(SL)の片隅で静かに暮らすサディストとマゾヒスト二人の日常です。
18才未満の方とBDSMに不快感を覚えられる方の閲覧をお断りします。

!!! attention !!!
・私たちのReal Lifeについてのご質問にはお答えいたしません。
・無躾と感じられる一行レス等は管理者の判断にて削除いたします。あらかじめご了承ください。

all photos are taken by akira3 Nemeth.
all articles are written by shiori Sorbet.

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