The Red Room
BDSMだけど穏やかな、二人で暮らす日々。
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舌
「舌を出せ」
主が言う。
私は精一杯舌を突き出す。
「もっと」
また主が言う。
痛い程伸ばした舌は、力をこめたせいで勝手にぶるぶると震えてしまう。
ひくひくと痙攣し、何かを舐めあげるときのように舌先が尖り、丸まることを繰り返す。
その動きは、自分の意思と関係がない分、余計に淫ら。
主はまだ許してはくれない。
口中に唾液が溜まる。
蠢いている舌先は逆に乾いて、苦しい。
お願いです、もう許してくださいと言葉にしたいけれど、
今言おうとしても惨めな呻き声にしかならないだろう。
だから間近な主の目を、訴える様に見上げた。
主がようやく自分の舌をのばして、私の舌先に触れてくれる。
目を優しく細め、微笑みながら私の舌を味わってくれる。
その温度。その湿った感触。
ほしかったのです。
わずかな接触点から唾液が交換されることすら感じとれる。
あなたがほしかったのです。
もう私は目を開いていることもできず、ただただ全身の感覚を舌先に集中する。
もっと鋭敏に主の舌を感じとろうとさらに自分の舌を伸ばす。
そんな蕩けるような甘やかな感覚の交わりに酔いそうになった瞬間。
主が私の舌を思いきり吸い上げた。
鋭い痛みに目を大きく見開き、抗う私を抑えつける。
さっきまでそこにあった優しい微笑は跡形も無く、
サディストの加虐の意思と欲望だけ。
口を封じられたままの喉の奥であげた悲鳴が聞こえないかのように、
自分の口中の私の舌を舐め、噛む。
吸い上げられた舌のつけねがきりきりと痛む。
ああ私はこのままこの人に食い尽くされるのかも知れない。
続々・人形の体
わたしの人形はよい人形。
目はぱっちりといろじろで、
小さい口もと愛らしい。
わたしの人形はよい人形。
(from “人形” 作詞者不明)
私はそんな人形のような顔をしていない。
甘えた少女のような顔もしていなければ、
きりりとした大人の表情でもなく、
どっちつかずのような気もする。
だけど、この顔と体は、主に選んでもらい、主の好みを聞きながら丁寧に作った形。
だから多分、主は私のことを良い人形だと言ってくれるだろう。
わたしの人形はよい人形。
歌をうたえばねんねして、
ひとりでおいても泣きません。
わたしの人形はよい人形。
主が歌ってくれるだけで眠る筈もなく、
一人で置かれれば泣くし、いじけるし、わがままになるし。
やっぱり中身はちっとも良い人形ではないかな。
けれど、この人形にも良い所があって。
この体は主が叩けば赤くなる。
主が好む悲鳴と泣き声をあげられる。
この世界でこの人形の体だけが、主の好み通りで、思い通りになる体。
主がそう作ってくれたから。
私の体は人形の体。
もう変わることは怖くない。
どこへなりとも連れていってほしいと思う。
それができるだけ遠い所であることを願う。
私はそこでまた怯えるだろう、不安になるだろう、
だけどそれすらも望める。
もっと可愛がられる体になりたいと、それだけを思う。
何を気遣われることもなく、心配をさせることもなく、
主の全ての欲望を満たせる体になりたいと、ひたすら願う。
さしだすもの
「玩具みたいに扱われて」
「興奮してるんだろ」
主が嘲るように言う
鎖を引かれた私は顔をそむけることもできない
答えることもできずただ主をみつめ返す
・・・そうです
床に転がされ踏みつけられ
その足で嬲られ
鞭で追い立てられながら這いずりまわり
抱き上げられて膝の上で踊る人形になり
興奮しているのです
私は愛しいあなたに服従を誓った奴隷で
だからあなただけは私に何をしてもいい
あなただけは私を自由に使っていい
私があなたにさしだしたものは
あなたが快楽を味わうための私の器官だけではなく
やわらかな女の形をした体の全部と
怯え泣き、あえぎ、悲鳴をあげさせる感覚の全て
玩具みたいではなくて
私の身体も心もただの玩具そのもの
その単純な事実に私は興奮しているのです
苦痛にもがき悲鳴をあげながら
快楽と同じ反応を示す淫らなマゾヒストの体
人が快楽に酔えるのなら私は苦痛にも酔えるはず
ましてそれがあなたの与えてくれるものならば
酔えないはずはない
開いてしまう唇のあいだから
アンスリウムの花序のように吐き出されてひとりでに蠢く舌
とろとろとあふれさせて誘う体
けれどどれだけの言葉をこうして並べても
あなたが知る私の淫らにはきっと遠く及ばない
だからこそ
あなただけに
あなただけが知る私をさしだすのです