The Red Room
BDSMだけど穏やかな、二人で暮らす日々。
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泣けばいいんだよ、と主は笑った
(毎度お馴染み、写真は本文とは関係ありません)
「しおりは玩具だろ?」と主が問う。
私は、はい、と小さく頷く。
「そうだね」
「俺が楽しむために、使ってやるよ」
かまいません、嬉しいもんと恥ずかしくて下を向いて返事をすると、小さな子供にするように髪を撫でてくれた。
「久しぶりに飛行艇の方でもしおりを使ってやらないと^^」
「久しぶりに鞭の音も聞きたいだろ?」
「そろそろしおりの体に添うように馴染んできたかな」
「時々確認しないとね^^」
裸の背中に優しく指先で触れながら、主が言う。
「この背中が赤くなっていくのがたまらないんだよ」
楽しみを先延ばしにして、自分をじらして楽しんでいるかのような主。
今は傷一つない背中を、愛でるように撫でてくれる。
・・・なぜ痛くて泣くことがわかっているのに、そうしてほしいと思うんだろう。
なぜひどくしてなんて思うんだろう。
小さな声で主に尋ねると、主は私の背中からお尻までつうっと指先を滑らせ、手のひらで感触を味わいながら答えた。
「ここが」
「そうして欲しいんだよ」
・・・そうなのですか?
「考えるんじゃなくて」
「感じるんだよ」
私は目を閉じる。
目の前が真っ白になるような痛み、自分の声とも思えぬような苦痛の叫び、ただ叫んで、泣いて、その先で空っぽになりリセットさせられる自分を思い浮かべる。
・・・いやだ。
そう思うのは、自分に戸惑いが消えないから。
何がほしいの?
なぜそれがほしいの?
主は何がほしいの?
私はそれをあげられるの?
・・・混乱し、いやだともう一度呟いて黙りこんだ私を、主は笑った。
「わからなくなったら、泣けばいいんだよ^^」
・・・そうなのですか?
「うん、ただ泣けばいい」
その手が鞭を握ることが嘘のように、主は優しい。
・・・そこまでつれて行ってください。
ご主人さまだけが私を救えるところまで、つれて行ってください。
「よしよし」
「つれて行くよ」
「わからなくなって、泣いても」
「つれて行くからね」
かまいません。
私はご主人さまのもの。
「よしよし」
「ゆっくりと」
「まだまだ落としていくからね」
はい。
一緒にいてくれるなら、どこまででも行きたい。
「そうしなさい」
「ついて来なさい^^」
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